１話　当たり前の日常

私達、家族は本当に普通の家族だった。
旦那は接客業で店舗運営をしている。
心配性で怒りっぽい私と違い、優しく朗らかで全てを受け止めてくれる。

本当に温厚な性格だった。

私はそんな旦那が大好きで心の底から愛して、信頼していた・・・。


結婚３年目、ぷっこちゃんが産まれた！
ずっとずっと自分の子供が欲しかった私はかなりの有頂天だったと思う。
妊娠中のつわりがひどく寝たきりだったが、その辛さが吹っ飛んでしまうほどの
幸福感に包まれていた。

だが、仕事関係で転勤が多く、近くに親しい友人はおらず、家族とは疎遠になっていた。
慣れない土地での育児は私にかなりの負担だった。産後鬱になり私はかなり嫌な奴になっていたと思う。

でもそれを常に旦那が支えてくれていた。買い物や休みの日には必ずぷっこちゃんを見てくれ、私のメンタルケアまでしてくれていた。

本当に素晴らしい感謝してもしきれないほどありがたい存在だった。

ぷっこちゃんが２０１９年１２月、２歳になった。

あっという間の２年間、長かったような２年間。あの小さかったぷっこちゃんはすくすく育ち、おしゃべりとダンスが大好きな、笑顔がとっても可愛い旦那に似た優しい性格に育った。

そんな幸せな毎日が当たり前にずっと続くと思っていた、ある日あの事件が起きた・・・。